剣は、それを持つ人の心を善く現わす! 

                                                                    2009.01.09(金)





   大量消費が当たり前になってしまった今日社会に於いて、物に対する感謝の心を抱く日本人は本当に少なくなりました。

     斯く申すこの私も、大量消費社会・飽食の時代の申し子の一人ですから、物を粗末にする事では、その例に漏れるもの

   では有りません。

     ところがT氏となると、そうした価値観は明らかに前時代的な位置にあって、彼が愛用の剣を手にして見れば、その事

   は
一目瞭然となります。稽古用剣の仕上げは#2000の砥石で研磨しているのですが、再研磨に送って来たT氏愛用の剣は

   全身を燻し銀
で造られたかの如く磨き上げられ、おまけに、刃面は傷一つ無い見事な梨地肌を成していました。

   
聞くところに依れば、T氏は常日頃より剣を身近に置き、折に触れてはセーム革で磨き続けていたとのことです。飾り職

   人も顔負けの仕事ですな。






                     
T氏愛用の剣・およそ一年間使用した剣です。


                          動画にある剣は、直し作業前の状態のものです。
                          
                                               2009.01.09(火)




            飲んだり食ったりする金は惜しみはせぬが、手裏剣に掛かる出費となると、途端に出し惜しみをするのが、

            手裏剣術世界の常識らしい。今時の高校生バスフィッシャーでさえ、バスロッドやリール、そしてルアー等に、

            数十万の金を投じている例は珍しくもなく、高級デジタル一眼レフカメラや高橋製の天体望遠鏡をアルバイト

            収入で購入した高校生も居たりします。海外旅行・登山・ゴルフ・テニス・カメラ・天体観測・ヨット・磯釣り・渓

            流釣り・サーフィン・ダンス・カラオケ等々、手裏剣術よりも金の掛かりそうな趣味ばかりですね・・・・・・。




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    「萬物に神宿れり」と、固く信じて疑う事をしなかった先人達は、感謝の思いを表する為、様々な神事を執り行ったものでした。

    現代手裏剣術家諸氏も、主人の為に我が身を削って奉仕してくれる剣に対して、愛情と感謝の思いを忘れぬ様に・・・・・・・・。


    大辞林から引用 → 【針供養】とは、
    二月八日(地方によっては一二月八日)、平素裁縫などに使って折れた針を、豆腐やこんにゃくに刺したり
    
淡島神社に納めたりして供養をすること。その日一日は裁縫を休む。




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