剣は、それを持つ人の心を善く現わす!
2009.01.09(金)
大量消費が当たり前になってしまった今日社会に於いて、物に対する感謝の心を抱く日本人は本当に少なくなりました。
斯く申すこの私も、大量消費社会・飽食の時代の申し子の一人ですから、物を粗末にする事では、その例に漏れるもの
では有りません。
ところがT氏となると、そうした価値観は明らかに前時代的な位置にあって、彼が愛用の剣を手にして見れば、その事
は一目瞭然となります。稽古用剣の仕上げは#2000の砥石で研磨しているのですが、再研磨に送って来たT氏愛用の剣は
全身を燻し銀で造られたかの如く磨き上げられ、おまけに、刃面は傷一つ無い見事な梨地肌を成していました。
聞くところに依れば、T氏は常日頃より剣を身近に置き、折に触れてはセーム革で磨き続けていたとのことです。飾り職
人も顔負けの仕事ですな。
T氏愛用の剣・およそ一年間使用した剣です。
動画にある剣は、直し作業前の状態のものです。