ドラム缶を手裏剣で撃ち抜く?
私が最も充実していた頃、70匁剣を使用してドラム缶に一寸ほど食い込ませた事がありますが、貫通テストに使用したドラム缶は、
かなり金属疲労の進行している物でした。 (ドラム缶に使用されている圧延鋼鈑は、冷間鍛造された物と同等の強度があります)
OG氏の実験レポートを紹介します。
○○先生へ
先日書店に行ったところ月刊秘伝10月号 特集 戦慄の威力、技巧の極致、手裏剣驚異の世界という非常に興味をそそられる
タイトルの雑誌がありましたので読んでみると、全長175o 直径7〜8o 重量55〜70gの剣で自然石やドラム缶に突き刺すという
ことが書いてあり写真なども掲載されていました。これは面白そうだと思い丁度ドラム缶がありましたので 久々に荒試しを行いました。
鋼製ドラム缶、実測板厚1.6o重量20kg以上を使用し 平野傳100匁剣と、いわゆる軽量剣を使用して試し打ちをして見ました。
結果は送りました動画と写真をみれば判りますが・・・・・、
100匁剣を用いた試打の結果は、刃先による切り裂き幅1.2cm、深さ1p程の貫通痕が確認されました。
(試打4回目で剣先が少し曲がる)
軽量剣を用いた試打の結果は、剣先痕幅 1.1〜2o 一寸凹んだ位で貫通不能でした。
(初打で剣先が折れるか曲がるかする)
補足:100匁剣はSC45鍛造品、軽量剣はS45C鍛造品。ちなみに、戦国時代の甲冑に使用された鉄鈑の平均的肉厚は0.6mmです。
使用した軽量剣は、角型(断面四角形)棒手裏剣、全長175mm重量60g強の物でしたが、1回目の試打で剣先が曲がるか折れるという
結果が出ました。今回の荒試しで曲面の物に対してもある程度刃筋を立てて打ち込めるようになってきたと同時に、踏み込み時の体重の
掛け方の稽古課題が見えてきましたのでやってみて良かったと思いました。また動画をみれば分かりますが100匁剣を打ち込んだ時に刃
先に相当のストッピングパワーが掛っていますがカミソリの刃のような鋭利な刃で受け止め、厚さ1.6oの鋼板を切ってしまうという鋭さと頑
丈さまさに矛盾する性質を実現した最高の品質と言えるのではないでしょうか?これには驚きました!
それにしても軽量剣でドラム缶を突き刺しストッピングパワーを殺し突き刺さった状態の剣の姿勢を維持させるのは物凄いことだと思います。
とても私など足元にも及びません。世の中広いもんですね〜。是非動画を観てみたいものです。
2008年9月21日 OG拝 謹言
グリップ投法・・・・・、
極限の速さで腕を振り下ろす。その間、剣に働く慣性で剣が飛び出す現象をグリップ部を指先で押さ込む事によ
って制御し、適度な放出点に達したところで指先を緩めて剣を放出する。従って、この種の打法で極限の剣速を
得るとなると、先ず第一に、身体を大きく使って腕を振るという大前提があり、また、グリップを指先でロックしてい
る為に、遠心力が最大値に到達した瞬間に剣が発射できないという制約が、否応無く剣速にブレーキを掛けてい
るといったマイナス面がある。
●ハンマー投げは横回転の遠心力、手裏剣術の本撃ちは縦回転の遠心力。グリップで操作する投擲原理は互いに共通したものがある。
ドラム缶・貫通テスト動画、
肉厚1.6mmの圧延鋼鈑は、チスタガネを重いハンマーを使って打ち込もうとしても、簡単に孔の穿てる代物ではありません。
軽量剣で圧延鋼鈑を撃ち抜こうとするならば、銃弾の速さに近い剣速でなければ現実的ではないのかも知れません。
軽量剣を使用・動画
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一番手ごたえのあった打剣では、少しだけ鋼鈑が凹みました。