力を抜き、ゆったりと打剣すること!


    ◎手裏剣術初心者のOG氏、この七月で満二年になります。今や四間半間合い尺的命中率95パーセント以上、刺中率約100
      パーセントまでに急成長して居ります。紛れも無い、平成時代手裏剣撃ちの
「上位ランカー」です。そして両手撃ちでは、私に
      次ぐレベルに成ってくれました。何でも、私が仄聞したところによると、某流派では四間間合いが撃てるまでに、才能に優れた
      者で四年は必要との事でした。 (弟子ガ優秀ダバ、師匠ハホンニ楽ダスナ)


   一分間に数千発の銃弾を発射するバルカン砲に装填する銃弾でさえ、
  軍用規格ならば、百発に一発の確立で不発弾が出ると即不合格です。
  ましてや、たった数本の手裏剣に勝敗を託する手裏剣術なのですから、
  せめて本撃ち位は、刺中確率を限りなく100パーセントに近付くまで研
  鑽を積んで下さい。変化撃ち等は、その後の稽古課題とすれば済むこと
  です。本撃ち一本に絞って打剣数を消化していれば、己の身の内に眠っ
  ていた感覚が研ぎ出されて来て、打剣動作に固有の身体感覚が掴めて
  来ます。そうした自覚がより明確なものとなって来てから変化撃ちの稽古
  に取り組んだ方が、極端に腕の振りの異なった変化撃ちの動作に、己の
  身体反応が混乱することは大幅に少なくなります。





    打剣間合いは三間半です。 70匁剣を使用、


    柔軟性と瞬発力を兼ね備えた体質を養成する手法として、これは非常に有効な稽古方法です。
    
                                                     2008.07.01(火)



    後背筋を大きく使った脱力打剣が出来るようになれば、数多くの撃ち込みが可能となって、より密度の濃い

    稽古が出来るようになります。甲子園を目指す高校球児達のバット素振りも1000回以上は当たり前です。

    より以上の手裏剣術を求めるならば、身体に負担が掛かる事無く、且つ、効率的に打剣数を消化出来る打

    法こそが最も理想的なものとなります。

    ゴルフや野球に於けるバットスィングの本質を考慮して見ると、より強くより遠くまで球を飛ばそうとした場合、

    バットスィングの軌道は一つの方向に絞られると言うことに行き着きます。
そうしたことは、手裏剣術の「本撃

    ち」にも言えることで、安定した体構えから強力な打剣が出来る軌道と手の内は、只一つしか存在しないと言

    っても過言では無いと思います。そして、残心の余裕の無い打剣は、武芸十八般の埒外にある忍法系統の

    手裏剣術の範疇か、あるいは、単純に的当てゲーム手裏剣術に終始して、そのまま歩みを止めた手裏剣術

    であると言うことになります。


    注:手裏剣術同好の士としての、私からのアドバイス!!!

    投球フォームが一寸狂っただけで、あの松坂投手が滅多打ちに遭うのです。そして、投球フォームは僅かな

    事で狂いを生じやすいものであることを心に戒めて下さい。手裏剣術にあっては、先ず、本撃ち一本に絞り、

    それが身に付くまで徹底して稽古に励むことです。目先の派手さに囚われ、あれやこれやと打法を変えるこ

    とは、逆にフォームを狂わせてしまうだけです。そうした「アレコレ打法」は、長い目で見た手裏剣術修行には

    「百害あって一利なし」の、術技上達にとってのマイナス面が多く、はっきり言ってそれは時間の無駄です。

    私が知っている某手裏剣術修行中の青年は、OG氏の数倍の経験年数がありながら、You-Tubeで見た限り

    では手の振りに以前の様な切れが無く、まったく進歩の跡が認められなかったと記憶しています。本撃ちが完

    全に自分の物になっていない状態で、このまま「逆打ち・下手打ち・反転打」などをやっていれば、「相互足引っ

    張り現象」で永遠に現状打破は不可能です。本撃ち刺中確立100パーセントは、人間である限りは不可能で

    すが、せめて100パーセント弱までには練磨することです。手裏剣術を武術であるとする限り、スポーツの様

    に再戦などは有りません。チャンスは一度だけ、そして勝敗も一度限りなのですから・・・・・・。



   ∴チャンスは一度だけ、敗者に明日は無いのが武術の世界なのです。
    
   北海道、ヒグマ猟師の実例です。

    
    至近距離からウインチェスター300マグナム220グレイン弾を、大型のヒグマの眉間に発射したところ、弾丸
    は狙った場所に命中したが、結果、僅かな角度のズレで眉間を打ち抜くことが出来ず、激怒したヒグマの逆襲
    を受ける寸前、猟友のライフルによって危機を脱したという例があります。こうしたミスショットは、ヒグマの表面
    だけに心奪われ、肝心要の中心核を正確に捉えられなかった所にその原因が有る訳で、そこに、平野傳の極
    意と符合したものがあると感じ入ったことを、・・・・・・・昨夜、フト思い出しましたね。

                                                         2008.07.04



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