甲冑打剣のページです。




 素晴らしい甲冑を拝領しました。大感激です



 鉢・面包・鉄籠手は鎌倉後期の作で、桶川胴その他は、室町中期頃の直しの手の様です。面包は

 鉄板を打ち出した精巧なもので、歯の一本一本に到るまで忠実に再現されています。

                                     2008年2月16日(土)          近江吉継 記す。


    

             New   2008.02.14(木)







甲冑・着装時に於ける打剣の実際。



甲冑を着装した打剣稽古は,大正の御世に後藤翁がやられて以来、八拾年振りのことになります。私自身、

甲冑打剣と言うものを体験したことが無いものですから、『相馬野馬追い』で知られた所の住人、OG氏との

交流の機会を得て、このたび甲冑打剣のテストを依頼した次第となった訳です。OG氏の手元に稽古用の

剣が届いたのは
721日でした。従って正座打剣の稽古に入ったのは721日であり、この動画を撮

影したのは9月
22日ですからこの打剣動画に見られるOG氏の左手打剣の技量は平野傅投剣術初

体験から二ヵ月後ものであることに相違はありません。(2006年9月22日現在の刺中率、間合い二

間に於いて70%強です)





平野傅の打剣フォームは、甲冑の構造によって限定された運動方向そのままのものであることが、今回の検

証によって確認された次第です。と言うことは、甲冑を身に着けて打剣稽古をすれば、正しい打剣フォームが

身に付くこと確実です。(大リーグ養成ギブスですか・・・・・?)


この動画の様に剣を深く保持した場合、剣は直立した姿勢で発射され、次いで前傾しながら一尺ほど落下して刺中します。

籠手の内側には、親指と中指を通す為の二つの指貫があります。手首の可動範囲は、上下方向で80度ほどに

なります。そして、手首の左右方向への自由度は、ほとんどゼロに等しいものであることが分かりました。従って、

籠手を着装した状態でのスナップ打法は、殆ど不可能であると理解出来ました。




籠手の重量は約600グラムです。この重量が打剣時の腕の振りに大きく影響する訳ですが、慣れるに従って、籠

手の重量を利用した打剣が出来る様になりました他に,兜の自重を利用して、打剣の威力を増す方法があること

も分かりました。平野傅の打法は腕の振り下ろしに上体を前傾(目立たぬ程度で)させる動作で、体重を剣

に乗せてやるという技法をとっています。甲冑打剣の場合は頭を前方に傾けるだけで、兜の重さが打剣の

威力を増大させているという、確かな感覚として認識できた訳です。




(甲冑打剣の実際に関して、この後、新たな発見があれば、その都度書き加えてゆく心算で居ります)












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