The oldest shuriken way Само старо shuriken.  Le plus vieux shuriken.  Am altesten shuriken.  Il piu vecchio shuriken.


   四百年前の「馬上撃ち針術」を再現、


         (上遠野流撃ち針術の祖、上遠野伊豆守高秀の「甲冑馬上撃ち針術」を再現して見ました)






      甲冑「撃ち針術」動画


         

         日下流撃ち針 (全長150mm、対辺径3mm、重量は約10g)



       ◎桑の切り株を「馬鞍」に見立て、騎乗姿勢で撃ち針を撃って見ました。

         間合い二間半、日下流撃ち針を使用しました。  
         
         OG氏の打剣フォーム、本当にブレが小さくなって来ましたね。         2008.03.25(



        皮膚感覚で捉えどころの無い超軽量の撃ち針、

       それを、甲冑仕度で撃つことは極めて至難な技です。




         激しく動き回る騎乗の戦いに在って、最も安定した姿勢で10グラムと言う超軽量の撃ち針を、充分な威

         力と命中精度で以って狙撃出来る打法は結局のところ私が継承する日下流のものしか存在しない様

         で、そうした現実こそが、今日の手裏剣術界のお寒い状況であると私は言いたいのである。


         甲冑を着用して打剣動作を行った場合人間が有する本来の関節運動機能が大幅に損なわれることは

         避け様の無いことである。 特に阻害要因の主である籠手に言及するならば、籠手の内側には、親指

      と中指を通す為の二つの指貫があります。手首の可動範囲は、上下方向で
80度ほどになります。

      そして、手首の左右方向への自由度は、ほとんどゼロに等しいものであることが分かりました。

      従って撃ち針術には欠かすことの出来ないスナップ打法を
用いようとしても籠手を着装した状態

      では殆ど不可能であると判断出来ました。
確かなことは撃ち針を撃つ為の手の振り方向は,只一つ

         に集約されると言うことです。




         騎乗戦と言う状況設定に於ける、撃ち針の技を用いる場合の心得として・・・・・・・・、

         両膝をショックアブソーバーの如く柔らかく使って、上体の不安定な動揺を安定させ小さな動きで以って

         「撃ち針」を瞬打する。力みの無い柔軟な動きの打法であるから、発射時の反動で上半身がブレたり崩

         れたりすることは極めて少さい。(上体が前傾することの無い最小の動きの打法で、貫通力も強力)

         日下流の手の内は平野傳の手の内とは若干異なるが、至近距離に於ける撃ち針の軌道は直線に近い。







       雑感、


       手裏剣術が戦場で使用されたことは無い!と、軽々に表現しているNet武術家の記述を読んだことがありま

       すが、手裏剣術史に通暁した方なら御承知の通り上遠野伊豆守が正しくそれであった事は、多くの文献に

       書かれているところから疑う根拠は無いものと思います。世界中で、最も合理性を重んずる特質を備えた民

       族の日本人ですから手裏剣術の効用を生かすことは当然であると結論付けるのが、私の言わんとするとこ

       ろです。事実、手裏剣状の物を納める仕掛けを施した甲冑も、あるのですから・・・・・・。




       撃ち針術も、一打必殺の技足り得るものである。


       熟達した打ち手が発射した撃ち針は、厚さ10mmの杉板を易々と打ち抜く威力があります。その貫通力を

       以って、戦場で遭遇した敵の眼に的中させる技前があるならば、撃ち針は眼球を貫いて、確実に脳組織へ

       到達する筈です。その結果は、ここで言うまでも無いでしょう。




       これは、確かなことです。


       二間間合いで高確率の寸的打ちが出来なければ、撃ち針術は使いものに成らない! それが「撃ち針術」

       の宿命と申すものでしょう間合いが遠くなるほどに撃ち針の命中精度や威力は極端に低下するものであ

       る。従って三間間合い等で寸的を狙撃することが出来ない撃ち針術は児戯の技に類するものであって

       そうしたことは到底推奨できるものではありません。重ねて申しますが三間先の寸的を狙って、百発百中

       の精度と強力な貫通力で以って、撃ち針を命中させ得る技量の人を、未だかって私は見たことがありません。






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