「平野傅投剣術を学ぶ為の心得」
(平野傅投剣術に於ける「本撃ち」の手の振り下ろしは、日本刀を片手斬りに振り下ろした形と微妙な相違こそあれ、その軌道は殆ど
合致すると言って良いほど違わないものなのです) 2008.02.10(日)
手裏剣術上達の近道は・・・・・、
愚直に徹して、コツコツやるしかありませんね。
動画の解説。
「日下流正法・吊るし木」を用いた突きの稽古です。先ずは、正眼の構えで切っ先間合いは吊るし木から一尺
で始めます。習熟度に合わせて一尺ずつ間合いを空け、最終的には切っ先間合い一間から突きを放てるよう
にする稽古法です。この稽古が結実するならならば、滑る様な体捌きで以って神速の攻撃を仕掛けることが可
能となることでしょう。この踏み込み足こそ、平野傅投剣術の眼に見えぬ根源となっているのです。 そして、
根岸流宗家、(故)前田勇師範のあの打法も、こうした踏み込み足が極限まで集約された形の証しなのです。
「日下流正法・吊るし木」突きの稽古動画 Click hear
∴実戦間合いを摺り込む手法として、短い木刀を使用しています。
吊るし木撃ちを三年続けるならば、真剣を竹刀の速さで遣う事が出来る様になるばかりでなく、その上、あらゆる角度
から絶え間の無い攻撃を雨霰の如く見舞うことが可能になります。本人の努力次第では、息を吐き続けながら一分間
二百回近くの斬撃も出来ないことではありません。人間業では防御困難な連続攻撃能力の自得、・・・単純極まりない
理屈ではあるが、やることは、一撃必殺の刀勢で以って雨霰と斬り立てること、・・・・・肝心なことは、何があっても後ろ
には引き下がらない、決して敵に背中を見せないと言う覚悟である。
吊るし木は、撃ち込みが強力になるに伴って、人間の動きを超越した速度で予測も付かぬ方向に激しく飛び跳ねるの
で、ブチ当たって来る吊るし木を木刀で受け止めたり、或いは弾き返す等して、攻撃・防御ともに、願っても無い稽古相
手役として十分な働きをしてくれること間違い無しです。
∴不規則に揺れ動く小豆粒大の物を、・・・・・過たずに撃てぬ様では到底一流の剣客とは申せません。髪の毛ほどの
間隙を狙って過たずに刃を入れる。 それこそ、一流と評される剣客にのみ許された業の冴えなのです。私は、枝
垂れ柳の細枝を、見事、二つに斬り裂いた妙技を実際に目撃しましたが、現代剣術家で其れを出来る者が果たし
て居るものだろうか・・・・・?
個人的な興味もあって、それは私の知りたい処ではあります。
平野傳投剣術打法『三本の止め』の型です。
右手による「片手ふたつの撃ち」で二連打し、三本目で止めを入れると言う動きになっています。ゆったりとしたリズムで打剣することに専念すること
です。この形が身体に摺り込まれたと自覚出来たならば、少しずつ連打の間隔を縮める様にして下さい。千里の道も一歩からですね。
2007.09.09