投剣と抜刀術の組型




平野傳の操刀法は、押して斬るでは無く、引いて斬るものでも無い!

只々、物打ちの辺りで以って敵を強打することに専念する技であるが、斬れる斬

れ無いは二次的なものとは言え、物打ちが鋭利な刃物構造である限りは、結果

的に致命的斬撃力を発揮することとなるのである。平野傳にとって撃ち込み稽古

は絶対欠かせないものであり、それは長さ四尺〜六尺ほどの丸太、或いはアケビ

や熊柳などの細木を束ねて垂直に吊るし、それを木太刀を用いて、渾身の力でも

って徹底的に殴ったり突いたりするものなのである。




OG氏の愛刀は備前物大磨上げ無銘、刀身長二尺二寸五分、言うまでも無く本身である。


                                                 2007.11.27(火)


OG氏の抜刀術はまだ初心者段階ですから、刃筋が若干上向きにずれ、納刀の動作にも

ぎこちなさが見受けられます。しかしながら、一応は打剣から抜き撃ちまでの動作を約0.8

秒という速さで以って体現しています。しかも上体は直立していて身体の中心軸の維持が出来ている

のである。従って、打剣構えから抜刀に至る動きの中で、頭が上下することも些少で、また、左右にブレルこ

とも際立って改善されて来ている。
並外れて稽古熱心なOG氏が、この一連の動作に習熟するとし

たならば、遠からず0.5秒の壁も容易に乗り超えることでなかろうかと、・・・・・・・・私自身,密

かに期待するところが大の、近頃稀に見る逸材ではあります。



                                





後藤翁は、古・林崎流を使った。その投剣術と居合い術は精妙に一体化していた。

右入り身構えから
合戦拵え真剣で牽制、左手は鯉口を切るのと鞘送りとが同時にな

されている。剣を投じた右手はそのまま束へと掛かり、抜刀の動作へと自然に連繋し

ていた。そしてそこには寸分の無駄もなく、完全な一つの流れを形成していた。   









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