2009年夏・近接打剣練習
急所を外したら、この様になりますよ!!!
一間半先の空き缶に命中出来ない者が、遠間撃ちとはナンセンスな話です。
彼我の間合いが接近し過ぎて手裏剣を放つ事が出来なくなった場合、その備えとして
古くから掌剣術なる技が工夫されています。今日古くから残る手裏剣術を継承されて
居る流派に於いては、今尚、それが必修の技として研鑽されていることは多くの知ると
ころです。
そうした中にあって、平野傳投剣術の場合に於いては、掌剣術に至る瞬前に放つ近接
間合い狙撃稽古に、依り多くの比重を置いておる訳です。
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★剣が跳弾と化して跳ね返えりますが、瞬時にして危険度を判別出来る様になっています。
細川藩の都甲金平という剣の達人は、寝床の天井に細紐で刀を吊るし、もしも剣が落下したら場合は、
切っ先が己の喉首に突き刺さる様に細工をし、その下で就寝することを日常のものとしていたそうです。
(ダモクレスの剣を地で行った武士でした)
尤も、それ位の気構えが無くては、武術の深遠に触れることなど、到底出来得ることでは有りません。
そして、武術と申すものは己の名誉欲や知識欲などを満足させるものではなく、日月の過ぎ去るままに、
只々稽古の汗を流すものであると存念致すものに他なりません。
(単純に表現するなら、強迫観念に拘束された習慣性行動ということになります)
注:武術の原点は外敵から国や家族を守る為の手段であり、或は立身出世の道具となっていました。
小川氏が平野傳の稽古を始めてから、凡そ三年の月日が経過しました。
日進月歩の弛まぬ稽古の甲斐があって・・・・・・・、
今では日下流正法の的にもすっかり慣れ、足運びや手の振りに鋭いものが
見られるようになって来ました。剣先が標的に食い込む時に発する衝撃音が
その事を充分に物語っていると思います。
●送り込みが不十分であれば、剣は立って飛び出す!
●送り込みが効いていれば、剣は前傾して飛び出す!
近接狙撃の心得概略、
一つ、白刃を恐れず心の平静を保つ事!(これぞ日下流正法の恩沢である)
一つ、寸的撃ちを徹底して我が物とすること!
一つ、打剣構えは、無駄な動きを極限まで省略すること!
一つ、己の意思が、即、剣の発射に連携出来るまで、反復訓練を怠らぬこと!
一つ、神速の進退を可能足らしめる可く、日頃より足腰を充分に鍛えて置くこと!
一つ、目付けの事、省略!
一つ、緩急自在の事、省略!
一つ、迅速なる狙点捕捉の事、省略!