刀法併用手裏剣術を志す者にあっては、以下のことを重々勘案すべきである。
          刀法併用手裏剣術とはこの様なものです。

        手裏剣術の三要素、

         三要素その一、「正確さ」
         二間半間合い於ける寸的撃ち、命中率90パーセント以上の信頼度であること。

         三要素その二、「外形と重量」
         貫通力と空力特製に優れた形状、そして、パンチ力を満足させるに足る重量があること。

         三要素その三、「速さ」
         「速さ」とは、剣を加速する為に必要な投擲力の養成、および、剣の性能を、想定する戦い
         の場において100パーセント引き出す技術力があること。

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        一流の手裏剣術家と三流の違い!


         手裏剣と申すものは、実に非力な武器である。従って、手裏剣を手にする限り、敵の急所を確実に

         射抜く技量が無ければ、手裏剣など手にするべきではないのです。モーゼルK98/8mm小銃弾

         直撃二発の胸部貫通銃創を受けてなお、闘争心旺盛な兵は怯むことなく戦い続けるのですから・・・。

         そうした兵達ですから、下手に手裏剣でも投げたら、それこそ激高して殺しに掛かって来ますよ。

         手裏剣術の三要素を、常々心がけていれば二流以上の手裏剣術家になれる筈です。

         尚、五年以上も恒常的に手裏剣術を稽古していて、寸的撃ちの成績が思わしくないのは、打剣動作

         の過程で、関節機能に障害が見られることが多いです。

         (例えば肘が奇形化して曲がっていた場合、剣を放出した瞬間にストレスで腕全体がブレルのです)


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      「枯れ木も山の賑わい」とは?

        実際には枯れ木の多い山なのだが、遠目には、如何にも自然豊かな森らしく見える。
     実に巧みな古人の例え言葉ですね。

     実際には、的に当たらなくて突き刺さっているだけなのに、派手に手裏剣が林立して
     いる状態を傍から見れば、如何にも、手裏剣術の達者らしく見えるものです。
     命中精度の悪さは、極端なフリンチング癖に原因がある事が多いです。



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                              中!

                      理想的形の直打法が身に付いていれば、この様な事は当然です。
                        

                                
  ツボサンやすり、全長37センチ、重量550グラムを使用しました。

                       




         大した素質が無い者でも、5〜6年も手裏剣術をやっていれば、四間先に置いた畳みの的に高確率

         で手裏剣を刺中させることは、さほど難しい事ではない。手裏剣術未経験の人は、的に突き刺さった

         だけで感心するが、手裏剣術の本質は、あくまでも狙った的に命中する事が全てであって、動画投稿

         サイトに良く見られる例を挙げると、立ち位置二間半弱から畳みの中心に描いた直径3インチの黒丸

         を狙って打剣したのたが、命中率は10パーセント以下と言う真にお粗末極まりないもので、剣の殆ど

         が黒丸の中心から半径15cmの円内に散らばって突き刺さっていました。近くの的に命中できなくて

         も、六間先から打剣すると当たるのですから、本当に凄い腕だなあ〜、と思いますね。

         
射程二間半弱に於ける打剣グルーピングが、約27cmだったのでした。ちなみに100ヤードで
        10発試射し、全弾が1インチの円内に集まる銃身の事を 1
inch barrelと言います。小火器
        に要求される命中精度の許容値からして、
10 inch barrel等という代物があったとしたなら、
        その時は間違いなくスクラッブにされる筈です。



        手裏剣術初心者の方は、剣が突き刺さっている事を盲目的に評価

     するのではなく、打剣者が何をどの様に狙い撃ち、その結果、剣が

     どの様に的を射抜き、そして、何故に剣が的を外れたのかを、良く

     良く観察する事です。


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          後藤翁の言に依れば、日下(くさか)流手裏剣術の的撃ち稽古では、各自が技量の

      上達度に合わせ、二間間合いでは寸的(直径一寸的)を、そして三間間合いでは五寸

      的を、更に四間間合いでは七寸的を、六間間合いまでが尺的となります。打剣数、百

      本中、的中率七割以上が凡その合格基準とされていたそうです。



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     ★以上が山邊傳日下流正法であるが、これを当世に当て嵌めてランク付けして見る。



         Aクラス = 一流の手裏剣術家としての条件、
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          @三間間合い以内ならば、限りなく100パーセントに近い刺中率である事!

          A的中率は実用間合い四間以内で、山邊傳日下流正法を満足させる事。(五間以上の遠射は座興)

          B四間間合い七寸的的中率70パーセント以上であること!

       ※1C打剣姿勢は上体を崩すことなく、且つ、如何なる状況変化にも対応できる打剣動作である事。
          ※1忍法系の手裏剣術にあっては、この限りに非ず。



         Bクラス = 二流の手裏剣術家の条件、
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          @三間間合い以内ならば、90パーセント以上の刺中率である事!

          A二間間合い二寸的的中率70パーセント以上である事、

       ※1B打剣姿勢は上体を崩すことなく、如何なる状況変化にも対応できる打剣動作である事。
          ※1忍法系の手裏剣術にあっては、この限りに非ず。



         以上、当世手裏剣術界のレベルを考慮して、階段を低くしました。



          従って、日常的に稽古を絶やす事の無い手裏剣術ベテラン、それも手裏剣術の看板を挙げる者が、

          二間半間合い二寸的的中率が50パーセントを下回ったりしていた場合、そのベテラン手裏剣術家

          の技量は、明らかに三流以下のレベルであると判断して良いでしょう。




                    小川 吉家氏、寸的撃ち稽古風景、
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                   自然なリズムで的前に歩を進め、居付くことなく速やかに剣を撃つ!


                         




                          二間間合い、寸的撃ち!
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           流石、日本チャンピオンのスパーリングパートナー経験が、動体狙撃の場で生かされています。

           私の経験から申して、10グラムという超軽量の撃ち針をコントロールすることは、本当に難しい

           です。(小川氏の潜在能力の高さには、いつも驚かれている私なのです)

           今日の手裏剣術界に於いて、小川氏以上の寸的撃ちの名手を尋ねるとしたら、果たしてどれほ

           ど居るものでしょうか?






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